写真生活手帖

店主コラム・写真生活手帖 その7「雨の日」

2022.02.17

「雨の日には、雨の写真。」

写真学校に通っていた時に、先生から言われた言葉です。

「雨が降ると写真撮りに行けないから、課題が出来ません。」そんな言い訳する生徒達を諭していたんだと思います。

当時は単純に、確かに雨は雨でいい写真が撮れるものな、と考えていました。

でも、最近になって、これはなかなか深い言葉なのではないかと思っています。

ありきたりな言い方だけど、生きていれば、辛い時や悲しい時もあります。その時に、言い訳せず、どんな状況も受け入れて過ごすせばいいのだと。

私には、幸運なことに「写真」があります。ファインダーを覗けば、レンズを通し少しだけ客観的に状況を把握し、美しいところを見つけることが出来ます。

雨の日にも光は届いています。

けっして闇ではありません。その 優しい光は、雨雲の天然ディフューザーによって拡散され、優しい影を作ります。辛さや悲しみを和らげてくれるかのように。

どうか、落ち込んでる時には、呪文のように唱えてください。「雨の日には、雨の写真。」と。