写真生活手帖
店主コラム・写真生活手帖 その9「見えている世界だけが、世界ではない。」
2022.03.13
ナダールを始めたばかりの頃、学生さんが個展を開催してくれました。
その時に、彼が話してくれたことを、今でも覚えています。「大学で講義を受けている時も、ギャラリーには自分の写真が展示されていて、自分の知らない誰かが、見てくれているかもしれないと思うとワクワクして。」
ナダールが南青山に移ってきたばかりのころ、店長が話してくれたことがあります。
「私、星野道夫さんの本を読んで、とてもいいなと思った文章があります。それは、東京で忙しく働いてても、その瞬間、アラスカの海で、クジラが飛び上がっているかもしれない。という部分なんです。」
どちらも、自分が居る場所ではない場所で、同じ時間に起こっていることについての話です。
普段の暮らしでは、つい自分の目の前に見えている風景だけが世界だと思ってしまいます。
でも、想像力を働かせれば、それだけが世界ではないことに気付きます。
当たり前だけど、自分の目に見えている世界だけが、世界ではない。
このことを知っているだけで、心は豊かになります。
写真には目に見えているものしか写りませんが、何を想像して、どういう想いを込めるのか、そこにその人の写真家としてのオリジナリティーがあると思います。
おまけ(蛇足?)
今、南青山の写真ギャラリーに、自分の写真が飾られている。
コロナ禍で旅行はおろか外出もためらわれるご時世。どうしても、家でじっとしてると気分が落ち込みがちになってしまうこともあると思います。
そんな時、自分の写真が、南青山の写真ギャラリーに飾られているというは、どうでしょう?悪くないと思います。
宣伝みたいだけど、それを感じるためにも、写真展に参加してみませんか?
只今参加者募集の展示の詳細は、以下の画像をクリックしてください。