妄想文庫
盲目のひまわり 3
2022.04.14
星の王子さまのことは知っていたが、読んだことはなかった。
「モデルって、容姿、見た目が勝負だと思うでしょう?でもね、上に行く人って、何かが違うんだよね。気に入られるのがうまいとか、礼儀正しいとか、そんな簡単なことじゃなくて、何か。何かなんだよね。それが、まだ私にはわからない。私は有名になって、いい仕事がしたい。だから、その何かを知りたいの。」
彼女の寝起きの声は、私の耳元で、少しずつしっかりとしてくる。私の肩に置いていた顎を上げて、カーテンから差し込む光の方を見やった。
「眼に見えない、大切なものって何だと思う?」
その言葉が、私の胸の奥を刺激する。カメラマンだって同じだ。いつまでも無名の売れないカメラマンと有名になるカメラマンは何が違うというのだろう。見ること、見せることを生業としているのに、眼に見えない、大切なものって言われても、答えを見つけることは出来ない。
ワイドショーに登場した盲目のアマチュアカメラマンは、その答えを知っているだろうか。
全文はこちら > https://note.com/nadar_hayashi/n/n13e166a2b95a